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校長あいさつ

2015年07月02日
本を身近に
 6月には、読書の楽しさやすばらしさをさらに実感しようと、読書旬間がありました。読書の時間を増やす中で、めあてを立てて読書に勤しんだり、お話の会の皆さんをお招きしてお話を聞いたりしました。図書委員会もさまざまな働きかけを考え、図書ボランティアの皆さんには子どもたちが喜ぶしおりを用意していただきました。これを機会にたくさんの本に親しみ、本を身近に感じてほしいと思います。
 さて、この読書は、まずは楽しむことですが、学力ともたいへん深い関わりをもっています。県や市の全国学力・学習状況調査の分析や検討、授業改善に深く関わっている静岡大学大学院の村山功教授は、読書と学力の関係について、次のようなたいへん興味深い分析結果を報告しています。

《読書と教科の学力との関係》
 「読書が好き」ということと教科の学力とは、たいへんに強い関係がある。小学校でも中学校でも、国語でも算数でも、知識問題でも活用問題でも、学力層別でも、問題の種類別でも、どの分野でも、読書好きの子どもほど学力調査の正答率は高くなっている。
学力別に4つの層に分けて比較してみると、学力の高い層ほど平日の読書時間は長く、図書館の利用度も高いことが分かる。
《テレビやゲームと学力との関係》
 テレビを見ている子どもは、視聴時間が長くなるほど学力調査の正答率は落ちている。ただし、家でまったく勉強していない子どもに限っては、ある程度見ている子どもの方が正答率は高くなっている。
 ゲームの場合は、家での勉強時間の長短に関わらず、ゲーム時間が長くなればなるほど学力調査の正答率は顕著に下がっている。
《読書時間と学力との関係》
 「テレビを見たりゲームをしたりするくらいなら読書の方がいいけど、それならもっと勉強した方が…」と考えてしまう。しかし、一定の時間を勉強と読書に使うならば、全部を勉強に使うよりも、読書もしている方が教科の学力は高い。例えば、3時間まるまる勉強して読書をしない子どもよりも、2時間ちょっと勉強して残りの時間を読書する子どもの方が、学力調査の正答率は明らかに高い。これは、小学生でも中学生でも、同じ傾向を示している。
(H26年7月 日本学校図書館学会静岡支部総会での講演から)

 学力の問題だけでなく、子どもたちが成長していくときの支えとして、読書はたいへんに大切です。子どもたちが読書に親しみ、習慣を身につけていくためには、大人による環境作りや働きかけが欠かせません。学校図書館の充実や活用を中心に、学校では働きかけを続けます。読み聞かせや親子で読書の機会をもったり、図書館や書店に出向いたりと、ご家庭での働きかけもよろしくお願いいたします。
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