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校長あいさつ

2015年12月01日
蔦の細道から東京へ
 サタデースクール第4回は、恒例の丸子路ハイクでした。私は「ツタの細道コース」に参加しました。高校生の時にたどって以来でした。
 蔦の細道は、『伊勢(いせ)物語』の第9段「東下(あずまくだ)り」に登場します。主人公のモデルと言われているのは、平安時代の貴族、イケメンとして名高い在原業平(ありわらのなりひら)です。「東下り」は、自分は世間には無用だと思い、東国に住む場所を求めて出掛けた道中を描いています。登場する場所は、愛知の八つ橋、静岡の宇津の山と富士山、そして東京の隅田川の4箇所です。
 宇津ノ谷峠には、物語中にも出てくる在原業平の歌の碑があります。
 駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人にあはぬなりけり
 (なんと物さびしい駿河の宇津の山よ 現実に人かげはなくあなたは夢にも逢いに来てはくれなんだ  田辺聖子:訳)
 10月に、5年生は朝霧自然体験教室に行ってきました。富士山5合目から6合目に登り、宝永火口をたどる登山をみんなで行いました。「東下り」の中には、富士山の高さを、「京都で言うなら比叡山を20個くらい重ねた高さ」という表現があります。子どもたちはどのように感じ取ったでしょうか。
 12月の1日、2日、いよいよ6年生は東京へ修学旅行に出掛けます。首都東京で見聞を広げ、体験します。隅田川も渡ります。「東下り」の主人公たちはこの隅田川に浮かぶ鳥の名が都鳥と知り、その名から京の都を思って涙を流します。ちなみに、都鳥というのは、東京都の鳥、ユリカモメのことです。
 長田西小学校の子どもたちは、丸子の地に暮らしています。丸子は、古から知られる地です。学ぶ場所が、事柄がたくさんあります。本年度も、1年生から6年生まで、各学年が丸子の様々な場所を訪ね、学習をしています。地域の方々から教えていただいています。歴史のつながり、記された物語、そして今現在この地に住み働く人たちの思いを受けて、郷土の豊かさやよさを十分に感じてほしいと思います。そして、丸子のよさを基盤に、体験を重ね、視野を広げていってほしいと願います。これからも地域での学習を大切に位置づけていきたいと思っています。
 ところで、「東下り」に登場する地、愛知の八つ橋ですが、燕子花(かきつばた)の花がたいへんきれいに咲いていたので「かきつばた」の5文字を頭に載せて主人公は歌を詠みました。江戸時代の絵師、尾形(おがた)光琳(こうりん)がこの燕子花を描いたものが国宝「燕子花図(かきつばたず)屏風(びょうぶ)」(5千円札の図柄にも使われています)です。今年は尾形光琳の300年忌にあたり、大規模な展覧会が催されました。そこには、尾形光琳も敬慕した江戸時代の絵師俵屋宗(たわらやそう)達(たつ)の筆になる「蔦の細道図屏風」(重要文化財)も展示されていました。デザイン性に富んだ作品ですが、これも『伊勢物語』にもとづいて描かれています。文学や絵画など芸術の世界にも、丸子から世界を広げることができます。丸子は豊かな土地です。子どもたちの感性を伸ばす機会をたくさんもちたいと思います。
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